ZERO Private Body Labo
更新日:2023年12月25日
夜間帯にトレーニングに来てくださるお客様から
「今日は時間が遅いから帰ってご飯食べない方がいいよね?」
って質問をよくいただきます。
今回の記事は、そんな方の疑問についてお答えします。
トレーニングなどによって筋グリコーゲンを枯渇できていれば、
「寝る前に食べると太る」ということを裏付ける根拠はほとんどありません。
(つまり寝る前に炭水化物を食べたからといって太る理由ってほとんどないんです)
太るの定義を、
・体重の増加
・体脂肪の増加
として考えてみましょう。
寝る1時間前であっても、寝る4時間前であっても、
炭水化物の絶対量(食べ物の重さ)が同じであれば、
お腹に蓄えられる重さは変わらないので、
寝る前に食べたから「太る」ということにはなりません。
おそらく多くの方が、
「早めに摂っておけば、寝るまでにカロリー消費されるのでは?」
という疑問になるのだと思いますが、
ほとんど影響は生じません。
カロリーを消費するための要因は3つあります。
基礎代謝
勝手に消費される1日のカロリーのこと
食事誘発性熱産生
食事を消化吸収する過程で臓器によって消費されるエネルギーのこと
活動代謝
仕事などの活動によって消費されるエネルギーのこと
「基礎代謝」「食事誘発性熱産生」においては、
夜食べることで太るといった影響がないことは、なんとなくイメージできると思います。
おそらく、
「活動代謝」の点でより早い時間に食べた方が良いという考えになっているのだと思います。
実はカロリー収支の観点で考えると1日の活動代謝には特に影響しません。
例えば、
・19時以降の活動代謝が300kcal。
・就寝24時
・晩御飯は500kcal
という条件だけを考えれば、
食べる時間が19時であろうが23時であろうが、カロリー収支に差が生じません。
というお話し。
「寝る前に食べたら太る」と検索すると、
⇨「22時を過ぎると、脂肪の蓄積を促進するホルモンが分泌されることから、寝る前に食事をすると太りやすくなります。」
と出てきます。
実はこれ、はっきり解明されていません。
脂肪の蓄積を促進させるBMAL1というホルモンには以下のような役割があると言われています。
・体内時計のコントロールと
・脂肪合成の役割をもつタンパク質
・22時〜2時頃まで分泌量がピークになる
このホルモンは炭水化物ではなく脂質を材料としやすいため、
炭水化物の影響はほとんどないそうです。
睡眠直前の食事では低脂質の食事を心掛ける必要があります。
・トレーニング後ではない
・1日の運動量が少ない
日頃の活動量の少なさや筋肉を使わない生活によって、
体脂肪がつきやすくなります。
速筋繊維のエネルギー源はグリコーゲン(糖質)です。
筋グリコーゲンが枯渇していれば、
寝る前に摂った炭水化物はその補充に充てられます。
筋トレをしていなかったり、活動量が少ない場合は、
肝グリコーゲンや筋グリコーゲンのタンクが満たされているので脂肪がつきやすくなります。
※詳しくは、岩本トレーナーが過去に書いた記事「インスリン感受性について」を読んでください。
つまり、
寝る前にしっかり筋トレを行っていれば、
帰ってからご飯を食べてもいいのです!
むしろ食べてください!!
と、お伝えすると次の疑問が、
この疑問を明確にお答えするのは、
正直かなり難しい部分ではありますが以下はエビデンスをもとにお伝えしたいと思います。
(人物例)
体重60kg / 体脂肪18%の人
⇨筋グリコーゲン貯蔵量:240g前後
※ちなみに骨格筋100gあたり1g以上のグリコーゲンが貯蔵されています。
1時間、高強度のトレーニングで消費されるグリコーゲンは目安として
60%前後
になるようです。
※1時間かなりハードなトレーニングを行なった方です。
この人の筋トレによる筋グリコーゲンの消費量は
144g = 576kcal
※糖質1gあたり4kcal
コンビニのおにぎりの糖質は、だいたい40gだそうです。
小腸で吸収されない分も考えると、
最低ライン3.6個分のおにぎりは食べても大丈夫という計算になります。
注意していただきたいのは、
グリコーゲン60%を消費するトレーニング内容はかなりハードです。
人によってトレーニング内容に差があるので、
だいたい20パーセントから多くても40%くらいの認識でいていただけると良いかと思います。
寝る前に炭水化物を食べても太らないとは言いつつも、
GI値の高い食品はできるだけ避けるようにしましょう。
GI値とは、
食後の血糖値の上昇度を示す指数のことです。
よく耳にすると思いますが、
・白米より玄米
・ラーメンより蕎麦
の方がGI値が低いです。
血糖値の上昇度合いによって、脂肪への影響が変わります。
GI値の影響は夜だけに限らず、
朝、昼でも注意しておきたいですね。
・ジム終わりは筋グリコーゲンが使われているので、寝る前の食事では太らない
・寝る前の食事では低脂質、低GI値のご飯を心掛けることで、より太りにくくなる
夜間帯にトレーニングに来た方は、
帰ったら炭水化物はたべてください!
トレーニングに来てない、帰るのが遅くなる方は、
1日の活動量が多くなるように意識した1日を過ごしましょう。