ZERO Private Body Labo
更新日:2023年12月28日
・脊髄の両側に位置する左右一対の臓器・腹膜後器官の1つ
・左腎は右腎よりも椎体1つ分高い位置にある。
・表層は腎皮質、深層は腎髄質。
・大量に腎臓の血液を受け入れて尿を生成し、尿管へと送りつける役割。
・第12胸椎〜第3腰椎に存在。
・腎動脈:右腎動脈は下大静脈の後方を通過し、左腎動脈より長い。
・腎静脈:左腎静脈は腎動脈よりも前方に位置し、右腎静脈よりも長い。
💡腎臓の主な機能が尿(老廃物)の排泄。
POINT1
📌
再吸収:尿細管から毛細血管へ物質移行
分泌:血液中から尿細管へ物質移行
体液の浸透圧を一定に保ち血圧を調整します。
POINTO2
📌
アルドステロンが集合間に働きかける
⇨ナトリウムイオンや水の吸収
バソプレシンが集合間に働きかける
⇨水を再吸収して尿量を減少させ体液量を維持
💡エリスロポエチンやレニンなどのホルモンを作ります。
POINT3
📌
エリスロポエチン
⇨骨髄に作用して赤血球の生成促進
レニン
⇨アルドステロン分泌を促進
💡pHの調整
POINT4
📌
pH:血液中の水素イオン濃度
酸性(アシドーシス)
⇨水素イオンが多い(pH:0~7)
アルカリ性(アルカローシス)
⇨水素イオンが少ない(pH:7~14)
※人の血液はpH:7.35~7.45の弱アルカリ性
💡腎動脈、腎静脈、尿管、神経の出入り口
💡 腎臓の内側中央にある凹んだ部位で、腎動脈、腎静脈、腎、腎盂などを収め、脂肪により満たされている
💡腎実質のうち、繊維皮膜に接している部分。
血管が多く分布し、多数の腎小体が見られる。
また、腎錐体の間に入り込んでいる領域は腎柱(ベルタン柱)と呼ばれている。
💡腎実質のうち、腎洞に向かって突き出た部分。
尿を濃縮させる働きをもち、以下2つの部分がある。
①腎錐体
💡円錐状の部位で、その表層の腎皮質と合わせて腎葉と呼ばれる。
②腎乳頭
💡腎錐体の先端部分で小腎杯に向かって尿が流れ出る。
💡腎乳頭を覆うような形状の部位。
💡数個の小腎杯が集まって形成された部位。
💡数個の大腎杯がさらに集まって形成された部位で、徐々に狭くなって尿管へと移行していく。
💡心臓〜腎臓
左心室⇨大動脈弓⇨胸部大動脈⇨腹部大動脈
💡腎臓
(※腎血流量は心拍出量の約1/4~1/5)
➡︎右・左腎動脈⇨区域動脈⇨葉間動脈⇨弓状動脈⇨小葉間動脈
POINT5
📌
⇨輸入細動脈⇨糸球体⇨輸出細動脈
(※動脈から老廃物を濾過する場所)
⇨小葉間静脈⇨弓状静脈⇨葉間静脈⇨区域静脈⇨腎静脈
💡腎臓〜心臓
➡︎下大静脈⇨右心房
👉 尿の始まり
ネフロン⇨尿細管⇨集合管
👉 腎臓内
⇨腎乳頭⇨腎杯⇨腎盂
👉 腎臓外
⇨尿管⇨膀胱⇨尿道⇨排出
POINTO6
📌
ネフロン=腎小体+尿細管
(一個の腎臓に100万個)
腎小体=糸球体+ボウマン嚢
尿細管=近位尿細管+ヘンレループ+遠位尿細管
〜POINTの解説〜
※一連の流れを把握するためPOINTの順番は前後します
📌
ネフロン=腎小体+尿細管
腎小体=糸球体+ボウマン嚢
尿細管=近位尿細管+ヘンレループ+遠位尿細管
①腎小体と②尿細管で形成
💡約0.25mm程度の大きさで、糸球体とボウマン嚢で形成。
💡毛細血管が毛玉のように集まって形成された部位。
糸球体から濾過された尿を受け、尿細管へと送る役割。
💡尿細管は尿細管極から始まる細長い管で、腎皮質と腎髄質の間を複雑に走行している。
尿の成分は尿細管を通る過程で再吸収され、血流によって回収されます。
【尿細管】
👉近位尿細管
👉ヘンレループ
👉遠位尿細管
ネフロンとは腎小体と尿細管をまとめたものです。
腎臓の中でも、尿(排泄物)を作り出す重要な機能を果たします。
一連の流れとして、
腎小体:糸球体 ⇨ ボウマン嚢
↓
尿細管:近位尿細管 ⇨ ヘンレループ ⇨ 遠位尿細管
の流れがあることを頭に入れて続きを見ていきましょう。
📌
血液は、
「輸入細動脈 ⇨ 糸球体 ⇨ 輸入細動脈」
へと流れます。
この時に糸球体では「糸球体濾過」が行われます。
糸球体濾過は以下3つの血圧が原動力になります。
20mmHGの力で加圧濾過されている。
💡水風船のような構造で液体がボウマン嚢に溜まることによって内圧が上がる。
💡液体をボウマン嚢から毛細血管に吸い込もうとする力。
💡輸出細動脈は輸入細動脈と比べて血管が狭くなっている。
ホースの先を摘んでいるようなイメージ。
💡分子の大きさによる選択。
・内皮細胞
・基底膜
・上皮細胞の足突起
🔍高分子物質
・ヘモグロビン(血球)
・多くのタンパク質(アルブミン)など
💡荷電による選択。
基底膜は陰性に帯電しているため、陰性電荷物質は濾過されにくい。
🔍【陰性荷電物資】
・アルブミンなど
Q.アルブミンはサイズバリア、チャージバリアの両方の影響を受けるが,
腎機能低下による血中アミノ酸濃度の低下による病気は?
A.ネフローゼ症候群
💡【低分子物質・陽性荷電物質】
※両方のバリアの影響を受けない物質
・多くの非結合形薬物
・電解質
・グルコース
・アミノ酸老廃物(尿素、尿酸など)
・水ビタミン など
老廃物は輸入細動脈から流れて糸球体を通ります。
糸球体では加圧濾過に加えて、サイズバリア、チャージバリアが行われます。
これらの濾過を「糸球体濾過」と言います。
糸球体で濾過されない物質は輸出細動脈を通過します。
以下は、糸球体濾過された後の物質の流れを見ていきます。
📌
再吸収:尿細管から毛細血管へ物質移行
分泌:血液中から尿細管へ物質移行
濾過された液体は原尿(糸球体濾液)と呼ばれ、グルコースやアミノ酸など数多くの栄養素や代謝物をを含んでいる。
健常成人の場合、原尿の量は1日に約160リットルに達する。
しかし、その90%以上は尿細管で再吸収され、1日の尿量は1〜1.5リットル程度になる。
近位尿細管では糸球体によって濾過された原尿(糸球体濾過)のうち、再利用可能な物質の大部分の再吸収を行なっている。
💡約80%再吸収される
・水
・ナトリウムイオン(Na+)
・カリウムイオン(K+)
・カルシウムイオン(Ca2+)
・重炭酸イオン(HCO3-)※pH調整に使われる
・リン酸水素イオン(HPO4.2-)
💡ほぼ100%再吸収される
・グルコース
・アミノ酸
・ビタミン
・微量の血漿タンパク質
➡︎ 下行脚
・水
➡︎ 上行脚
・ナトリウムイオン(Na+)
・カリウムイオン(K+)
・クロライドイオン(2Cl-)
※細い部分では水は再吸収されない
・ナトリウムイオン(Na+)
・クロライド(Cl-)
・水 ※抗利尿ホルモン(バソプレシン)による再吸収。
💡分泌は主に近位尿細管で行われる。
・尿酸
・アンモニア(NH3)
・パラアミノ馬尿酸
・水素イオン(H+)
糸球体濾過された物質は尿細管へと流れます。
尿細管では再吸収と分泌が行われます。
濾過されたけれど体に必要だと判断された物質は再度体内に再吸収され、
濾過されなかったけれど体に不必要だと判断された物質は近位尿細管へ分泌されます。
以下は尿細管を通過後の流れを見ていきます。
📌
アルドステロンが集合管に働きかける
⇨ナトリウムイオンや水の再吸収
バソプレシンが集合管に働きかける
⇨水を再吸収して尿量を減少させ体液量を維持
遠位尿細管を経た尿は集合管へと集められ、
集合管での再吸収は、数種類のホルモンによって調整されています。
ホルモンの働きによって再吸収量を増減することでホメオスタシスを維持する役割を持ちます。
💡物質が不足した場合 ⇨ 再吸収促進
💡物質が過剰な場合 ⇨ 再吸収抑制
集合管での再吸収の調整には以下のホルモンが関わっています。
副腎皮質から分泌されるホルモンでナトリウムイオンの再吸収に関わります。
ナトリウムイオンの再吸収の増加に伴って間質の浸透圧も上昇し、結果として水の再吸収も増大します。
同時にナトリウムイオンと交換でカリウムイオンの排泄も行なっています。
下垂体後葉から分泌されるホルモンで水の再吸収に関わります。
体内の水分が不足して血漿浸透圧が上昇すると、視床下部の浸透圧受容器の興奮が起こります。
その興奮によって下垂体後葉からバソプレシンが分泌されます。
逆に血漿浸透圧が低下している場合には分泌が抑制され、薄い尿が排泄されます。
尿細管を通過した物質は集合管という場所に集められ、ここでも再吸収が行われます。
物質が不足している場合は再吸収が促進され、
物質が過剰にある場合は再吸収が抑制されます。
これらのバランスを維持する役割をアルドステロンとバソプレシンが担っています。
📌
エリスロポエチン
⇨骨髄に作用して赤血球の生成促進
レニン
⇨アルドステロン分泌を促進
酸素の供給が不足すると分泌が促され、赤血球の産生を増加させます。
赤芽球系前駆細胞の文化を促進させ赤芽球を作ります。
Q.腎機能が低下することでエリスロポエチンの産出量が低下することを何というか。
A.腎性貧血
糸球体付近の輸入細動脈の血圧が低下すると傍糸球体装置と呼ばれる細胞群から分泌されます。
レニンは一連の過程を経て循環血液量の増加と血管収縮を引き起こし、結果として血圧を上昇させます。
この働きをレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAA系)と呼ばれています。
傍糸球体装置にある顆粒細胞は血圧の低下に伴いレニンの分泌を行います。
レニンは血圧を上昇させるホルモンを生成します。
糸球体の血管極付近に集まる細胞の集団。
糸球体の血圧が低下するとレニンを分泌する。
レニンはRAA系によって血圧を上昇させる働きをもつが、高血圧の原因にもなりうる。
【※以下、図を参照】
①輸入細動脈の血圧が低下した結果、傍糸球体装置からレニンが分泌される。
②タンパク質分解酵素であるレニンはアンギオテンシノゲンを分解し、アンギオテンシンⅠを作る。
③アンギオテンシンⅠは血管内皮細胞の表面にあるアンギオテンシン変換酵素(ACE)の作用により、活性化のアンギオテンシンⅡに変わる。
④最も強力な血圧上昇物質でもあるアンギオテンシンⅡは全身の血管を収縮させ、血圧を上昇させる。
同時に、副腎皮質に作用し、アルドステロンなどの電解質コルチロイドの分泌を促進する。
⑤アルドステロンは遠位尿細管と集合管に作用し、ナトリウムイオンの再吸収を促進する。
ナトリウムイオンの再吸収に伴って間質の浸透圧が上昇し水の再吸収が増加する。
結果、全身の血液循環量が増加して血圧が上昇する。
腎臓から分泌されるホルモンは「エリスロポエチン」と「レニン」があります。
レニンは血圧が低下することで分泌され、
血管を収縮させる物質を生成すると同時に、
アルドステロンの分泌を促進させることでナトリウムイオンや水の再吸収を行います。
結果的に血圧を上昇させる働きを持ちます。
📌
pH:血液中の水素イオン濃度
👉 酸性(アシドーシス)
⇨水素イオンが多い(pH:0~7)
👉 アルカリ性(アルカローシス)
⇨水素イオンが少ない(pH:7~14)
※人の血液はpH:7.35~7.45の弱アルカリ性
💡体液の酸(酸性)と塩基(アルカリ性)が平衡している状態のことです。
血漿のpHは7.45±0.05。
血漿のpHが7.35未満になった状態をアシドーシス(酸血症)、
7.45以上になった状態をアルカローシス(アルカリ血症)と言います。
【呼吸】
⇨O2(酸素を取り込む)
⇨ CO2(代謝によって二酸化炭素が発生し、血液に流れる)
⇨炭酸になる
⇨H + HCO2-(水素イオンと重炭酸イオンに乖離する)
➡︎水素イオンが体内に溜まると酸性に傾く(pHの低下)
【可逆的反応】
重炭酸イオンが水素イオンと結ばれる。
⇨H + HCO2-
⇨炭酸になる
⇨ CO2(体外へ出す)
➡︎ 水素イオンが体内から減るとアルカリ性に傾く(pHの上昇)
💡肺
二酸化炭素(CO2)を排出する
💡腎臓
重炭酸イオンを尿細管で再吸収(調整)する
⇨重炭酸イオンが多いほど血液をアルカリ性に傾けることができる。
水素イオンを排出することができる
💡肺や腎臓に異常がある場合
[肺機能障害が発生した場合]
呼吸がしづらくなると体内に、
CO2↑ H+↑ pH↓ 呼吸性アシドーシス
[腎機能障害]
腎機能に障害があると、
HCO3-↓ H+↑ pH↓ 代謝性アシドーシス
腎臓と肺には酸塩基平衡の働きがあます。
肺から酸素を取り込むことで体内に水素イオンを作ります。
腎臓は重炭酸イオン量の調整を行います。
呼吸によって水素イオンが作られると体は酸性(アシドーシス)に傾きますが、
腎臓から作られる重炭酸イオンは水素と結合し、生成された二酸化炭素を
体外へ排出させ、アルカリ性(アルカローシス)を保ちます。
この作業よって体内の水素イオン量の増減を繰り返し、
平衡を保ちます。