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ZERO Private Body Labo

更新日:2024年1月11日

胃の構造

 

胃の部位

 

入り口から、噴門、胃底部、胃体部、幽門前庭部、幽門という部位で構成されている。

 

胃の五層構造

 

胃の壁は内側から順番に、粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜と呼ばれる五層に分けられる。

 

胃の位置

位置は横隔膜のすぐ下にあり、腹部の臓器の中で最も上にある。
食道が横隔膜をつらぬいて胃と繋がっている。

胃の入口の噴門:T1
胃の出口の幽門:L1

 

 

胃の働き

 

摂取した食べ物を一旦蓄える

食道から運ばれてきた食べ物を胃で一旦蓄える

 

消化

・機械的消化
胃の筋肉の蠕動運動によって胃の中の食べ物を攪拌、混和し胃液と混ぜ合わせる。
そして幽門が開きドロドロの内容物(糜粥)は少量ずつ小腸に運ばれていく。

※胃の中でドロドロになった内容物を糜粥(びじゅく)という。

 

・科学的消化
胃酸や消化酵素などの働きによって栄養素を科学的に分解する。
胃液によって食べ物は科学的に消化される。

 

・胃液の主成分
塩酸(胃酸)
ペプシノゲン
粘液
水溶液

 

 

・胃液の分泌
①食べ物を見た時から始まっていて、脳からの指令(脳相)
②胃に食べ物が入ってくると更に多く分泌する(胃相)
③胃の中の内容物が腸に送られると胃液の分泌は抑制される(腸相)

更に詳しく

 

①脳相
視覚、嗅覚、味覚の情報が脳から延髄に送られ、延髄から迷走神経を介して胃のG細胞が刺激される。

そしてG細胞からガストリン(ホルモン)が分泌され、血液中を流れ壁細胞を刺激して、塩酸(胃酸)を分泌させる。

 

②胃相
食べ物が入ってくると胃壁が伸展し、その情報が迷走神経を介して延髄に伝えられ、再びG細胞が刺激されガストリンが分泌。更に胃酸を分泌する。
更に、食べ物中の栄養素がG細胞を刺激してガストリンを分泌→壁細胞へと送られ多くの胃酸を分泌する(脳相より胃相の方が多く分泌する)

 

③腸相
内容物が十二指腸に送られると、S細胞からセクレチンが分泌されG細胞へ送られる。セクレチンがG細胞のガストリンの分泌を抑制する。
更にK細胞からもGIP(胃抑制ペプチド)というホルモンが分泌され、血液をか介して壁細胞へ送られる。GIPの作用によって壁細胞は胃酸の分泌を更に抑制する。
結果、食べ物が小腸に送られてきたので胃酸の分泌を少し抑えるという事。

 

胃の疾患

胃の粘膜には色んな胃腺の細胞があるのだが、その中の表層粘液細胞と副細胞から粘液が分泌され、

この粘液が粘膜の表面に層を作り、粘膜を保護している(胃酸などから守っている)

更に粘液細胞はアルカリである重炭酸イオンをつくり、強酸性である胃酸をアルカリで中和する。
この様に胃の粘膜にある粘液細胞により胃自身が消化しないようにバリアを作っている。

 

 

胃粘膜を攻撃する因子を攻撃因子といい、胃粘膜を守る因子を防御因子というのだが、

胃粘膜の攻撃因子の勢力が強まり防御因子の勢力が弱まった時、胃粘膜が傷つく。

 

 

胃潰瘍

胃潰瘍の好発部位:胃角部小彎側、幽門部

 

組織の欠損が粘膜筋板を超える。
攻撃因子と防御因子のアンバランスにより、胃に潰瘍ができる。
ピロリ菌やストレスなどが原因。

 

好発年齢:40〜60歳代
症状:食後の心窩部痛、悪心、嘔吐、吐血、胸焼け、腹部膨満感

 

胃癌

胃癌の好発部位:幽門部

 

悪性腫瘍は胃粘膜の腺癌。
ピロリ菌によって胃粘膜が傷つけられ、萎縮性胃炎になり、早期胃癌から進行胃癌へとなる。

早期胃癌は癌の浸潤が粘膜下組織までに留まるもの。
これ以下の固有筋層にまで達したものを進行胃癌という。

早期胃癌では無症状なケースが多い為、ピロリ菌検査が大事。

 

好発年齢:50〜60歳代
症状:無症状、心窩部痛、悪心、嘔吐、体重減少、食欲不振、下血(黒い便)、貧血

 

胃切除後症候群

早期胃癌では内視鏡で癌細胞を切除する。
進行していると手術で取り除くが、胃癌は幽門部で好発するので、幽門部を切って、残った胃と小腸を繋げる。
噴門まで広がった癌は胃を全摘出し、食道と小腸を繋げる。

胃を切除した後起こるのが胃切除後症候群。

 

どのような症状が起こるのか。

 

・ダンピング症候群
胃は食べた物を一時的に貯蔵し少しずつ消化し小腸へ送り出すが、ダンピング症候群の場合食べた物が一気に

小腸へ流れ込む。

 

早期ダンピング症候群(食後30分以内)の症状:めまい、発汗、顔面紅潮、嘔吐、動悸、腹痛

後期ダンピング症候群(食後2〜3時間後)の症状:めまい、冷汗、動悸、全身倦怠感、手のふるえ

 

 

また、胃切除後症候群になると貧血になる。

 

鉄欠乏性貧血
胃酸の分泌により、鉄は小腸から吸収されやすくなるが、胃が切除されると鉄が吸収しずらくなり、鉄欠乏性貧血になる。

 

巨赤芽球性貧血
胃腺の壁細胞からは塩酸の他に内因子が分泌される。ビタミンB12は内因子と結合する事で小腸から吸収されるが、胃が切除されると内因子の分泌が低下するので、ビタミンB12の吸収障害が起こる。
ビタミンB12と葉酸の不足が原因で巨赤芽球性貧血になる。